お疲れ様です、冬待ちです。
24年の夏頃リリース予定でいます
ファーストアルバムから先行公開した
「Waiting 4 Winter」という曲を
23年末、SoundCloudにアップロードしました。
この曲は所謂、冬を待つ人のテーマソングです。
初めて歌ったのは23年の12/26神戸オトハトバ
「待つと言う事は一見保守的な様で
あらゆるメンタリティを兼ね備えた構えだから」
そうMCしたのを覚えています。
初耳の方は是非一度聴いて欲しいなと思います
ゴリゴリにポエトリーな曲です。
この曲ですが
早口に捲し立てる様に歌うので
あまり印象にも残らないかと思います
今回はざっくり解説的な回
ふ〜ん って思って貰えたら良いなーと考えて
書き残す事にします。
長いです。
「冬を待つ」
先ず冬を待つ人の名の由来ですが
日本の冬が好きです
特に年末が。
煩悩を打ち晴らして
嫌な事が何もかも無くなる。
そして雪は
どんな過程環境であれ悩みであれ
全てを等しく一つに染め上げる
なんか、一つになれたなーって
そういう気持ちになれるんです。
それがとても気に入っている
だから、一緒に頑張ろうよ とか
悩みを真っさらにしてあげたい とか
そういう願いから来ています。
まっさらなノートに初めてペンを走らせる1ページ目はどうしてあんなに気分が良いんでしょうね。
LYRICS-Verse1 4小節
こちら待つ男 オーバー どうぞ
先ずは簡単な事から教えてあげよう
心配御無用 オーバードーズもどうぞ
胃薬 ペンシンナーに汗 で ぶっ飛ぼう
僕が船乗りって事実はご存知でしょうか?
船では他船との衝突を避ける為
無線通信 を用いて連絡を取り合います
その時に使われるのが、「オーバー?」です
英記だと普通に「Over?」になりますが
これは所謂「どうぞ?」というニュアンスで使われます。
「僕は冬を待つ人 聞こえますか?
僕の名前はヘンテコだよね
どうしてなのか、教えるね」
みたいな。
オーバードーズとは分かり易く薬物の乱用をイメージさせます。
ジャンキーなヒップホッパーにも敬意を払って
堅苦しくならないでと言ってます。
胃薬は僕が職場でよく使ってたから。
ペンシンナーは船を塗装する時に
ペンキに混ぜるシンナーのことです。
ペンキを柔らかくサラサラにする効果があります。
薬物のシンナーを想像するかと思いますが
それであってます。
閉所で使うとクラクラして飛びます。
そこからの引用です。
LYRICS-Verse1 4〜8小節
雪解けした春先の繁忙期 観天望気
堂々と悪びれもしないで振り撒いて征く妄想
ここでは発芽を確信した種しか撒くな
そして飽くな 瞼の裏から湧水を与えろ
僕の名前の由来的に
新しく情報がインプットされてゆく春先は
僕的に繁忙期だと思いますが
ここで観天望気といって、
例えば古くから
「カモメが低く飛ぶと雨が降る」
こんな話がありますよね。
自然現象から人々は天候を予測し
田を耕し作物を育ててきました。
これを観天望気と呼びます。
(他にも色々あるよ)
これは過去の事例に基づいた、
つまり経験則に基づいた判断の事を指します。
「忙殺されそうだけど自信を持って僕は僕の意見を貫いてゆく」
みたいな感じです。
ここでは発芽を確信した種しか撒くな
=自分の音源に対する絶対的な自信
そして飽きる事なく水を与えろ。
瞼の裏から=涙
辛い事があっても止めるなと言っています。
LYRICS-Verse1 8〜12小節
石の上 海の上 さぁどれだけ待てるかな
夏が来れば陽射しよりも険しいうねりが立つさ
熱中症にも気を付けろ のめり込んだら
時々 帰ってくる事にとても苦労するんだ
石の上にも三年とは言いますが
生活が身近にあって
好きな時に好きな場所へ行けるのに
石の上で待ってると言われてもピンと来ない
僕は海の上ですよ。
君なら耐えられるかな?
夏場は海が時化て制作どころじゃないし。
熱中症は完全ギャグですね
リリック書くために深く深く潜って
おかしくなっちゃうことがちょいちょいあります。
気をつけてと言ってます。
同時に
春先の繁忙期→熱中症には気をつけろ
春夏の移ろいを描きました。
LYRICS-Verse1 12〜16小節
飽きの声を上げれば 風景が枯れてゆき
別れ 痛み ああ 僕も 大嫌い
お得意のループで踏んづけてくれないか
良く馴染んで肥やすんだ いいか 涙は絶やすな
ここは、
「ここまで続けて来た活動をやめてしまったら
全て台無しになってしまうよ」
みたいな感じです。
仲間が減るのは辛く悲しいので、
やめて欲しくないって願いもあります。
同時に、
飽きの声→「秋の声」
春夏秋と、季節は変わります。
お得意のループで踏んづけてはくれないか
ここは割と気に入ってて
悩んで行ったり来たりすることをループと表現しています。
ラップミュージックはループドラムスとかのパーティクルなのでその点にもリスペクト込めてます。
深雪の雪道を歩く時に良く言われるのが
足場を固めながら歩け という事で
悩みながら足場を固めて次へ進めよとメッセージを込めました。
繰り返しの日々に心は凝り固まってしまうので、涙を絶えず流しながら。
LYRICS-Verse1 16〜20小節
ぱっと見は気取ったナルシズムの威を借る狐は
中指を用いず意思を表す術
詩を書くに連れ潮は徐々に連れ
日毎に人として成るフィロソフィ
側から見たら僕はナルシストかもしれない。
でもそれはある種
人の罵詈雑言や批判の声に耳を貸さないで
自己主張出来る精神性の様にも思っています。
憎しみが無ければ中指は要らないですよね。
自己主張と批判は別で在りたいんです。
詩を書くほどに自分に勢いが付く。
潮流といえば伝わるかもしれませんが
潮に乗って船が加速する状態を連れ潮と言います。
追い風みたいなものですね。
日を追うごとに僕は僕の哲学に磨きをかけ
人となりが仕上がってゆく。
LYRICS-Verse1 20〜24小節
「こいつ何を言ってるんだかさっぱりな」
人間の本質にペイントするプライマー
分からないものへの感想が「分からない」だったら
どんな芸術も今日で打ち切りだな
何事においても
芸術家はたった一人では何一つ成し遂げられません。
レスポンスが必要なんです。
僕も例外ではなくて
「何言ってんのかわかんないから聴かない」
これ言われたら手の施しようがないです。
障害を抱える方々にも同じ事が言えます。
彼らの事を僕等は理解出来ませんが
常に、理解しようとする事が
世界をほんの少し優しく出来ると信じてます。
だから、そんな人間の本質が腐らない様に
プライマー=錆止めペンキ
を塗装してやるんです。
LYRICS-Verse1 24〜28小節
熱く広がった憎しみの炎は
僕の豊かさに秋を連れて来てくれた
不要とは言えなかった腐葉土に今や
数多の分解者がウヨウヨ住み着いた
そんな人間の冷たさに覚えた憎しみは
激しく燃え上がり
僕の全てを焼き尽くし灰にしてしまいます。
感情的になって人にきつく当たってしまったりとか。
でもそれらの燃え尽きた灰は
土に豊かな栄養分を供給して
素晴らしい土壌が完成します。
後悔を糧にして僕は成長するイメージです。
LYRICS-Verse1 28〜32小節
待つとは忍耐 期待 見たい 痛い
このままで居たい気持ち 集大成の舞台です
救済です 共に スーサイドです
プライスレス
ラフでタフにやぶれかぶれ
うらぶれた夢は覚め…
さて、待つと言う事ですが
待っている=じっとしている状態は
現状に伴う痛みを堪えている事であり
先を見据えた期待感であり
未来が見たくてうずうずしている事であり
このまま何も変わらずに居られたらという願いであり
つまりは救済と自傷を兼ね備えた
誰にも価値をつけられない
僕が悩んで悩んで辿り着いた
僕だけのスタンスなんです。
保守的に見えるけど
これはファイティングポーズなのです。
「ラフでタフにやぶれかぶれ」は
僕が敬愛して止まない
「THA BLUE HERB」の「A SWEET LITTLE DIS」という曲からサンプリングしました。
LYRICS-Verse1 32〜36小節
さぁ冬だ 分かってもらえたかな?
湧水も枯れて 木枯らしと悲しみが目立つが
もう大丈夫 すぐにでも銀世界へ行ける
そして雪解けは春を呼び
いよいよ待つのみ
それと同時に
寒い冬は豊かな湧き水を凍らせ
生物に試練を与えます。
けどここに穿つ希望こそ
僕の名前の由来になります。
全てを打ち晴らした真っさらな新しい自分へ。
春夏秋冬が出揃いました。
そして季節は再び巡り始めます。
LYRICS-hook
「どうせ全然何も考えてないだろう」
「お前だったらこのぐらいで限界だろう」
待つ男 明日の活路こそ勝つ事?
待つ男 しんしんと雪が降り出すぞ
「どうせ何もわかっていないんだろう」
「お前の地元から考えればこんなもんだろう」
待つ男 静かに刻み込む鼓動
待つ男 しんしんと雪が降り出すぞ
サビは一番伝えたい事です。
明日の活路は果たして、何かに打ち勝つ事一択と言えるのだろうか? と
自分の待つと言うスタンスと結びつけ
尚も問いかけを続けます。
そして、故郷を馬鹿にされる事が嫌いです。
実際に職場で言われた事をそのまま引用しました。
静かに刻み込む鼓動。
僕は怒りに打ち震えています。
LYRICS-Verse2 4小節
どうしようもなく嫌になったなら
幻覚はペンタブラックで無くなるって手もある
その縦穴を注意深く覗き込んでみれば
一瞬明転するそれを逃さずに落ちな
それでもどうしようもない事があります。
そんな時は思い込みを真っ黒く潰すんです。
落ち込んで落ち込んで、自分をどんどん追い込んで
ぼくは本当に不安定な時は
音楽もテレビもイラストも全部シャットアウトします。
仕事終わったら寝るだけ。
その連続で塞ぎ込んでる時
ふとどうでもよくなる瞬間が来ます
それを逃さずに詩を書き殴るんです。
この時書いた言葉は何者をもシャットアウトした自分の本質100%なんです。
ペンタブラックはこの世で最も黒い色
光を透過しないあまりの黒さは
まるで穴が空いたみたいに感じます。
縦穴が一瞬だけ明転する。
希望の芽生えをそう表現しました。
LYRICS-Verse2 4〜8小節
それか眼球を真っ白く塗り潰してあげよう
ポエトロジー 声と文字でお目汚し
108回程度上塗りしたなら
完全防腐の防空壕さ
ただそんな荒療治を皆んなにさせたくないので
僕が歌でかき消すよと言っています。
年の瀬、108の煩悩、真っさらな自分
それとリンクさせて
歌は終局に転がってゆきます。
LYRICS-Verse2 8〜12小節
Go so far Soberなコンポーザー
全自動フォーカス ストレッサー
鬱と面談するストレンジャー
ここで断ち切ってみせる負の連鎖
更に遠くへ。
soberはシラフという意味です
僕はイベントの時
自分が歌い終わるまで酒は飲まない
それをずっと貫いています。
次々来るストレスにどんどん向き合って
自分の内面と対面し続ける
僕のスタンスについて表現しています。
また、この曲が収録されます
24年中にリリース予定のアルバムタイトルが
「ストレス・ディストレス」になりますが
リンクさせています。
LYRICS-Verse2 12〜16小節
病的なまでに思慮深く気を遣い血を使い切り
噛み切った頬を超えた雨粒が
海と混じって君の街へ 死にたい部屋へ
あんたに笑顔を持って来た
「病的なまでに〜」は
ブルーハーブに続いて
大好きな「呂布カルマ」の「俺の勝手」から
サンプリングしています。
かっこいいよなこの人ね。
船乗りは気遣いが命です。
他人を敬い、教えに習うと共に
他人を気遣い続ける教えがあります。
たまにしんどいので
そう言う皮肉も込めました笑
頬を噛み切る程の悔しがり
その涙は海にこぼされ、蒸発し、
雨雲はあなたの街へたどり着きます
音楽もきっとそうじゃないかな
僕の歌が死にたがりのあなたに届く
それが何かになる。
僕の願いです。
「あんたに笑顔を持って来た」
これは「BUMP OF CHICKEN」の「ラフ・メイカー」からサンプリングしました。
少しマイナーですが名曲だと思います。
涙で濡れた部屋にラフメイカーは現れるのです。
いかがだったでしょうか
少しでも僕との距離が
縮まった様に感じて頂けていたら
本当に嬉しいなと思います。
この曲に限らず
どの曲にもダブルミーニングや
比喩を連発して小細工を忍ばせています。
また機会があれば別の曲も解説したいですし
アルバムがリリースされたら
そっちも少しずつ解説していきたいです。
Waiting 4 Winterもっかい聴こうぜ
ここまで読んでくれる人はそう居ないと思う
でも、そんな少数派のあなたに
僕の曲を聞いてくれて見つけてくれて
感謝の日々です。
これからもやめないので
応援してくれたら
幸いです。
ありがとうございました。
それでは!